2016 年 19 巻 2 号 p. 66-74
目的:訪問看護師の職務継続に関連する要因を,訪問看護特有の職場環境に焦点を当てて明らかにすることである.
方法:北海道の訪問看護ステーションで訪問看護に従事する管理者を除いた常勤・非常勤看護職を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った.
結果:対象者437人のうち252人から回答が得られ,回収率は57.6%であった.ロジスティック回帰分析の結果,訪問看護師の職務継続意向と有意な関連のみられた項目は,「運営主体が社団法人である」「訪問看護ステーション内に休憩スペースがある」の2項目であった.
考察:運営主体と職務継続意向とが関連していたのは,社団法人の理念や組織運営の特徴による可能性もあるが,さらなる検討が必要である.また訪問看護師の職場環境には規定の休憩時間をとることがむずかしいという特徴があると考えられるが,休憩スペース等の職場環境を整えることで,職務継続意向を高めることができる可能性が示唆された.