2017 年 20 巻 1 号 p. 22-30
目的:本研究の目的は,保健師学生が日常生活実践を通して行ったリフレクションの内容を質的記述的に分析し,概念化することであった.
方法:分析対象としたデータは保健師学生20人が約8週間リフレクティブ・プラクティスの期間中に5回記述したリフレクティブジャーナルのうち,選定基準により内容がリッチだと判断した6人分であった.分析方法はSteps for Coding and Theorizationである.
結果:分析の結果,自分を客観的に知るための道具である【自己理解のものさし】【比較】【行動目標】【コミットメント】等のリフレクションを構成する概念が抽出された.
考察:分析により抽出された概念はAtkins & Murphyの5つのリフレクティブスキルの枠組みで解釈することができた.これらの概念は段階をもつことから,個々のリフレクションを評価する際の指標に活用できる可能性が示唆された.