2019 年 22 巻 2 号 p. 59-68
目的:1歳6か月児の家庭内における事故および母親による事故予防対策の実態とそれに関連する要因を明らかにする.
方法:A県内2市において1歳6か月児健診を受診した児の母親を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施し,606人(有効回答率66.8%)より回答を得た.調査項目は,基本属性,児の事故経験,家庭における事故予防対策,Health Belief Modelに基づく事故予防に関する認識,母親の育児負担感とし,事故経験および家庭における事故予防対策を得点化し合計得点を中央値で2分した事故予防対策高低別と各項目との関連について,χ2検定,Mann-Whitney U検定,多重ロジスティック回帰分析を行った.
結果:家庭における事故経験ありは44.1%であった.事故経験との関連をみたところ,事故経験ありには第1子が多く,母親の育児負担感が高く,事故予防に関する認識の「事故可能性の認識」と「事故予防の困難性」が高かった.事故予防対策得点高低別では,低群の育児負担感が有意に高く,事故予防に関する認識のうち「事故可能性の認識」「事故予防の困難性」が有意に高かった.事故予防対策に関する多重ロジスティック回帰分析において「予防行動の自信(OR=3.287)」と「事故予防の困難性(OR=0.394)」との関連が示された.
考察:事故予防には母親の育児負担感を踏まえた支援が必要であることが示された.事故予防対策を促すには,乳幼児健診等における教育内容や方法の工夫により「予防行動の自信」に働きかけることが重要であると考える.