日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
研究報告
市町村保健師の発達障害児に対する連携技術の構成概念の検討
杉本 由利子山下 清香小野 順子香月 眞美山口 のり子尾形 由起子
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2021 年 24 巻 2 号 p. 22-29

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抄録

目的:市町村保健師の発達障害児の支援における連携に関する技術の構成概念を明らかにする.

方法:調査1は,フォーカスグループインタビューを実施し,保健師の発達障害児の支援における連携技術に該当する内容を抽出し,その内容をもとに質問紙を作成した.研究対象は,母子保健事業に10年以上従事している市町村保健師7人とした.調査2は,調査1で作成した質問紙を用い,連携技術の構成概念を明らかにするため量的調査を実施し,因子分析を行った.調査はA県内の市町村に勤務し母子保健事業に従事している保健師280人を対象とした.

結果:発達障害児の支援における保健師の連携技術項目の因子構造は,〔多職種連携を行うための仕組みづくり〕〔多職種との相互理解に基づいて役割を検討する〕〔多職種の支援技術を高める〕〔母親に子どもの特徴を伝える〕〔継続的に母親に関わる〕の5因子31項目となった.

考察:市町村保健師の発達障害児の支援における連携に関する技術の構成概念が明らかになった.対象のアセスメントと支援,多職種との協働,地域に応じた仕組みづくりが連動しており,何らかの過程を踏まえていると思われるが,その過程に関する分析には至らなかった.

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© 2021 一般社団法人 日本地域看護学会
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