目的:出生体重2,000~2,500 g未満の低出生体重児のうち,後期早産児をもつ母親の育児への思いを明らかにし,LP児とその家族への地域の支援について検討すること.
方法:市町村保健師が継続的に支援しているLP児のうち,出生体重2,000~2,500 g未満の4歳または5歳児をもつ母親10人を対象に半構成的面接を行い,データを質的に分析した.
結果:大カテゴリー〔小さく産まれたことへの不安により募る自責の念〕として7カテゴリー,大カテゴリー〔育児への充足感と子どもの成長に伴う安堵感〕として4カテゴリーが抽出された.母親は【小さく産んだことに対する自責の念】をもち,出産後は【予定外に早い出産に対する心配】【他児との比較による不安】という自責の念をもつ一方,【小さくても順調に育ったことに安堵する】という安堵感をもっていた.また【母乳育児を続けることはむずかしかった】という思いをもつ一方で,【早産・低体重で生まれた分できることをがんばった】という思いももっていた.母親の自責の念と安堵感は,子どもが4~5歳になるまで続いていた.
考察:母親の〔小さく産まれたことへの不安による自責の念〕と〔育児への充足感と子どもの成長に伴う安堵感〕という思いは幼児後期まで続くことが示された.出生体重が2,000 g以上でも,入院中は医療機関,退院直後から保健機関が中心に母の思いを聴き,就学まで就園先と連携しニーズを見極め支援する必要がある.
抄録全体を表示