日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
原著
特定保健指導該当者を対象とした特定保健指導の利用阻害要因尺度の開発
赤堀 八重子齋藤 基大澤 真奈美
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2021 年 24 巻 2 号 p. 4-12

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抄録

目的:特定保健指導該当者を対象とした特定保健指導の利用を阻害する要因を測定するための尺度(以下,「特定保健指導の利用阻害要因尺度」)を開発することを目的とする.

方法:先行研究などから50質問項目「特定保健指導の利用阻害要因尺度」原案を作成した.2市1町1村における国民健康保険被保険者のうち,2017年度の特定保健指導に該当した積極的および動機づけ支援者3,738人に対して質問紙調査を実施し,信頼性および妥当性を検討した.

結果:質問紙の回収数は1,849人(回収率49.5%)であり,欠損を除く1,459人(有効回収率39.0%)を分析対象とした.項目分析および探索的因子分析の結果,【生活習慣を変えることに対する無益感】【保健行動よりも優先される価値観】【保健指導に対する否定的な感情】【自身の健康の判断に対する自負心】の4因子18項目が抽出された.全体のCronbach α係数は0.904,下位尺度は0.737~0.845であった.確認的因子分析によるモデル適合度は,GFI=0.951,AGFI=0.935,CFI=0.952,RMSEA=0.053であった.既知グループ法では有意な関連があり,基準関連妥当性では,HLC尺度との有意な負の相関がみられ尺度の妥当性が確認された.

結論:本尺度は,4下位尺度18項目から構成され,特定保健指導の利用を阻害する要因を測定するために有用である.

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