日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
資料
既存データを活用した40歳未満の労働者における生活習慣とワーク・エンゲイジメントの関連についての検討
仲 文子草野 恵美子
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 24 巻 2 号 p. 67-75

詳細
抄録

目的:40歳未満の労働者の生活習慣とワーク・エンゲイジメント(以下,WE)との関連についての既存データを活用した検討を行うことを目的とする.

方法:A社の40歳未満の社員を対象として,既存データである健康診断結果を用いた.WE測定尺度は新職業性ストレス簡易調査票(以下,NewBJSQ),生活習慣項目は標準的な質問票から抽出した.交絡因子としてNewBJSQと同質問票から,基本属性および病歴・既往歴,業務の状況に関する情報を把握した.WEと生活習慣の関連を調べるため,男女別にχ2検定を実施し,有意差および有意な傾向がみられた生活習慣項目と交絡因子を独立変数とし,WEを従属変数とした多重ロジスティック回帰分析を実施した.

結果:男性で「睡眠で休養が十分にとれている」でオッズ比が1.496(95%信頼区間1.047─2.137,p=0.027),女性で「1回30分以上の軽く汗のかく運動を週2回,1年以上している」でオッズ比が3.547(95%信頼区間1.509─8.338,p=0.004)と高いWEとの有意な関連がみられた.

考察:40歳未満においてWEに関連する生活習慣は,男性は睡眠,女性は運動であり,40歳未満の労働者のWEを考慮した保健指導では,これらの点に留意する必要性が示唆されるとともに,既存データを活用した産業保健分野での検討に関する基礎資料となった.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本地域看護学会
前の記事
feedback
Top