目的:本研究の目的は,都道府県の本庁勤務保健師(以下,本庁保健師)の『事業化・施策化能力』獲得につながる業務上の経験項目を明らかにし,都道府県保健師の人材育成を検討するための示唆を得る.
方法:全都道府県の本庁保健師を対象にデルファイ法により,経験項目の同意と重要度について3回調査を実施した.
結果:調査同意の得られた対象44都道府県749人のうち,40都道府県の本庁保健師から第1回調査195人,第2回調査94人,第3回調査86人の回答が得られた.第3回調査では67項目について同意と重要度を調査したところ,65項目において90%以上の同意が得られ,具体的な経験項目を抽出することができた.重要度については平均値4.0以上(「重要」以上)が37項目であった.「非常に重要」と回答した割合が51%以上の項目は,「法的根拠や国の政策動向を確認する」「解決すべき課題の対応案を作成し,上司と協議する」「対応すべき事業の優先順位をつける」「総合計画や担当分野の事業計画の目指すべき方向性を確認する」「解決すべき健康課題を抽出する」などの9項目であった.
考察:『事業化・施策化能力』の獲得につながる本庁保健師の65の経験項目とその特徴が明らかになった.この経験項目から保健師の人材育成への活用について示唆を得た.