目的:公営住宅居住高齢者が大規模地震災害時に生活を継続することに関する意識を明らかにする.
方法:首都直下型地震で震度6強が想定される公営住宅Aアパートに居住する高齢者9人に半構造化面接を行い,質的記述的に分析した.
結果:分析の結果,6つのカテゴリーが抽出され,【これまでの災害体験が現在の備えの土台となっている】【災害時のトイレや倒壊のリスクを心配しつつもここで生活を続けたい】【日常的に支援ニーズが高い住民が多いこと自体が問題】【非常時には自分のことで手いっぱいになる】【つながりをもつことで非常時に支え合える】【動ける身体を維持することこそ災害対策の要である】ことが明らかになった.
考察:Aアパートに居住する高齢者は,発災後の建物倒壊のリスクを考えつつも,公営住宅で支援を得ながら生活し続けることを想定しており,昇降手段が制限される場合には孤立してしまう可能性が示唆された.そのため,大規模地震災害の場合には在宅避難を選択する高齢者が多い可能性を考慮したうえで災害時の対応を検討すべきあり,日常的に支援機関からの住民個々へ自助を促し,日ごろからの住民同士の関係構築や防災計画,発災後の情報収集の仕組みづくり等の互助を支えるための公的支援の必要性があると考えられる.