日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
連続携行式自己腹膜灌流(CAPD)バッグの処理方法と課題
中村 陽子人見 裕江小河 孝則
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2002 年 4 巻 1 号 p. 106-111

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抄録
研究目的:今後在宅医療の普及に伴い医療廃棄物の排出量が増大することが予想される.CAPD療養者における,在宅医療廃棄物処理方法の現状と課題を明らかにすることを目的に調査を行った.研究方法:調査対象は全国のCAPD療養者427名である。調査方法は郵送法による質問紙調査とした.調査内容は,本人性別,年齢,CAPD継続年数および入院経験,在宅医療廃棄物の処理方法であり,在宅医療廃棄物処理の方法については自由記述で求めた.結果と考察:回答数は421名であった.回答者の年齢は25歳から94歳までであり,平均年齢は56.4歳±12.6であった.回答者を性別にみると男性53.7%,女性46.3%であった.CAPD継続平均年数は4.07年±3.05であった.入院を40.0%が経験していた.CAPD療養者はCAPD廃棄物の処理に困難を有していた.また近隣者からの苦情を経験していた.CAPD廃棄物処理に対しての指導を看護職から受けていた者は37.8%と少なかった.したがって,CAPD療養者の生活状態に即した看護職の援助は重要である.また,在宅医療廃棄物に対する適正な処理方法を医療関係者,療養者本人および家族に教育,指導することが緊急の課題である.国,地方自治体の指導は急務である.
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© 2002 一般社団法人 日本地域看護学会
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