日本地域看護学会誌
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20歳代・30歳代労働者の運動意欲に関連する因子
中谷 久恵池田 和子
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2005 年 8 巻 1 号 p. 41-45

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抄録

本研究の目的は,20歳代・30歳代労働者の運動実態と健康意識を把握し,運動意欲に関連する因子を明らかにすることである.調査対象者は電子機器製造会社に勤務するフルタイム従業員550人のうち,20歳代,30歳代の433人である.2002年4月の定期健康診断時に自記式留め置き法によるアンケート調査を行った.調査内容は基本属性(年齢,性別,家族,BMI),運動実態,運動意欲,健康意識である.回収は382人からあり,有効回答372人(85.9%)を分析した.運動実態は,"運動している"と自覚している「運動認識」の人が31.2%で男性が有意に多く(p<.01),週2回以上の頻度で運動している「運動習慣」のある人が16.7%であった."運動したい"という意思をもった「運動意欲」がある人は57.8%で,女性(73.3%)が男性(58.0%)に比べ有意に多かった(p<.01).女性は運動意欲があっても運動できていない実態が明らかとなった.重回帰分析の結果,「運動意欲」を高める因子は性別,年齢,BMI,健康への関心度であった(p<.001).これらより,運動習慣により運動を継続している人よりも,運動をしていなくても健康への関心がある人ほど運動意欲をもっていることが示された.

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© 2005 一般社団法人 日本地域看護学会
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