日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
コミュニティを基盤としたミニデイサービス事業にみる高齢者エンパワメントプロセスと促進要因の検討
伊藤 智子景山 真理子森山 美恵子佐々木 順子
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2006 年 9 巻 1 号 p. 53-58

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抄録
高齢者のよりよい生活を支え続けるコミュニテイ活動として,S県I市K町で行われているミニデイサービスに注目し,その参加者の心理,行動と支援者からみた参加者の心理・行動の質的分析を行い,ミニデイサービス参加高齢者のエンパワメントプロセスとその促進要因を検討した.その結果,14の重要アイテムと5つのカテゴリ化ができ,次のことが明らかになった.(1)ミニデイ参加高齢者のエンパワメントの特徴は,「考え方の固執」「参加者・他人への関心」「自己表現,身の回りの出来事の共有・共感,存在の認め合い」「自然な行動」というゆるやかなプロセスをたどるものであった.(2)ミニデイ参加高齢者のエンパワメント促進要因は参加の促進と参加者相互の対話・共感の促進であった.(3)抽出したアイテムは高齢者のQOLおよびエンパワメント指標に類似しており,ミニデイは参加者のQOLに関与していた.
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© 2006 一般社団法人 日本地域看護学会
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