抄録
本研究では,集団SSTを含む統合的プログラムの実施を通して共同体感覚を育むことが,社会的スキルの獲得・遂行を促し,学級での対人的適応を高めることへ効果があるのか検証した。小学校4年生を対象に,2か月間の実施期間を設定した。分析Ⅰでは,統合的プログラム実施前後において共同体感覚と学級満足度にどのような変容が見られるのか測定し,その結果をもとに2尺度間の相関分析を行った。結果として,統合的プログラム実施後に共同体感覚と学級満足度について正の変容が認められ,学級満足度と共同体感覚には相関がある可能性が示された。分析Ⅱでは,統合的プログラムの実施が子どもたちの共同体感覚をどのように育んだのか検証するため,セルフモニタリングの記述分析を行った。結果として,統合的プログラムの実施を通して,達成感,被受容感,肯定的な感情が得られることで,社会的スキルの獲得・遂行・般化を促していくという共同体感覚の育成過程が明らかになった。