抄録
文部科学省は、子どもたちのウェルビーイングに対する主観的な認識が変化したかについてエビデンスを収集していくことが求められるとしている。本研究では,クラス会議における,児童の幸福感に対する認知の変容とプロセスを検討することで,クラス会議が児童のウェルビーイングにどのような影響を与えるのかを明らかにし,今後の日本の学校教育が目指す子どものウェルビーイングの向上に寄与することを目的とし,小学校5・6年生を対象にクラス会議を実施し,幸福感の認知の変容について,M-GTA を用いて分析した結果, 児童は安心感を土台とした尊敬と共感に基づく関係を築き,相互に貢献し合うことで幸福感を高める可能性が示された。