抄録
本研究では,小学生のペア学習においてペアの相手を変更する手立てを加えることにより,相互性の高いペア類型へと変容する「協働」類型化への効果を検証した。分析の結果, 「協働」類型ペアが増加し,ピア指向性質問紙からは,児童は今回のペア学習が文章作成に有用であると感じたことが明らかとなった。また, 「協働」類型化の対象である「支配」類型児童の質的な分析からは,児童が「協働」類型化した理由を明らかにすることができた。ペア学習におけるペアの変更は「協働」類型化を促す手立てとして効果的であることが推察された。