抄録
本研究では,目指す学校組織像を,教師の自主的・自律的な側面と協働的に教育活動に取り組む側面の二側面が高まっている状態と捉え,学年チームマネジメントと学年チーム効力感との関連を検討した。その結果,教師の自主的・自律的な側面が,学年チームマネジメントと正の関連があることが明らかとなった。また,教師の協働的に教育活動に取り組む側面が,学年チームマネジメント,学年チーム効力感と正の関連があることが明らかとなった。また,各教師の学校組織への所属意識を4群に分けて検討したところ,自律的協働群は,学年チームマネジメントと学年チーム効力感が高く,孤立群は,両側面を低く認知していた。やらされ傾向群は,学年チームマネジメントが低く,個人的実践群は,学年チーム効力感を低く認知していた。以上の結果を踏まえて,各群の教師に対する具体的な手立てについて検討を行った。