抄録
本研究は,児童期の内的適応と外的適応の両側面から,学級における児童の適応状態を評価するための尺度(以下,内的外的適応尺度)を作成し,信頼性・妥当性を検討することを目的とした。児童の内的外的適応尺度の作成にあたって,表面的には適応的であっても内面的に不適応に陥っている過剰適応に焦点を当て,①学級集団における過剰な外的適応の維持・緩和に関連する要因②不安を軽減しながら,内的適応を高める要因の2点を考慮して探索的に尺度を作成することにした。その結果,内的外的適応尺度の因子分析から,他者の感情の変化や他者の視点・役割を理解しようとする「察知力」,学級内の友人と表面的に同一でありたい心理や同一な行動に安心する「同調性」,自分らしさや自分自身の認知についての「本来感」の3因子構造であることが確認され,α係数の算出により,信頼性が確認された。また,児童期の内的外的適応尺度の基準関連妥当性を検討するため,過剰適応尺度(小学生版)の下位尺度との関連を検討した結果,基準関連妥当性が確認された。