抄録
本研究は,先行研究(藤原,2019)を参考にした「学級目標を基盤とした自己調整サイクルによる学級づくり」の実践が,児童のGritにどのような影響を及ぼすかについて検討することが目的であった。実践の前後,Time1(6月)とTime2(12月)に実施したGrit得点について対応のあるt検定を行った結果,12月時点の平均値は6月時点の平均値から5%水準で有意な向上がみられた。要因として,本実践において自己調整学習の循環的段階モデル(Zimmerman,2008)の効果が発揮されたこと,さらにそれが,児童らが学級目標を習得目標として認識することを促進した可能性があることなどが挙げられた。