抄録
本研究の目的は,児童を対象に学校生活満足度と自己学習スキル,学習動機づけとの関連から,個別の学習援助の在り方を検討する資料を提出することであった。小学生771名を対象とし,質間紙調査を行った結果,以下のことが明らかにされた。(a) 学級生活満足群の児童は,学習スキルと自律的な動機づけの得点が高かった。(b) 非承認群は,学習スキルと動機づけ全般の得点が低かった。(c) 侵害行為認知群は,動機づけ全般の得点が高かったものの,学級生活満足群よりも学習スキルの得点が低かった。(d) 学級生活不満足群は,学習スキルおよび自律的な動機づけの得点が低く,また統制的な動機づけの得点が高かった。以上の成果を踏まえ,各群に合わせた学習援助の在り方が考察された。