抄録
本研究の目的は,中学生に対して学級単位の集団ソーシャル・スキルトレーニングを実施し,その効果について学級環境に着目し検討することであった。中学1~2年生113名(4学級)の生徒を対象に,8セッション実施された。分析の結果,まず,全ての学級環境において,CSST実施前後において,かかわりのスキルと承認感の向上が認められた。そして,学級環境の差異によって,スクール・モラールへの効果には差異があることも明らかになった。以上のことから,学級環境を考慮したCSSTを実施することで,より効果的な予防的・開発的援助になりうることが示唆された。