学級経営心理学研究
Online ISSN : 2434-9062
小学校高学年児童自己成長意欲尺度の作成とその活用
四辻 伸吾水野 治久
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 5 巻 p. 39-52

詳細
抄録
本研究は,小学生児童が自分自身を成長させたいという意欲について明らかにする「小学校高学年児童自己成長意欲尺度」の作成を試みるとともに,その尺度を活用して実践を行ったものである。研究1として小学校5・6年生児童198名の児童を対象に「小学校高学年児童自己成長意欲」に関する質問紙調査を行い,調査結果を因子分析したところ,<社会性スキル成長意欲>因子,<学習性スキル成長意欲>因子の2因子14項目が得られ,これを「小学校高学年児童自己成長意欲尺度」とした。研究2として,「自己成長意欲」を高めるため,小学校5年生児童120名に対して,教育実習生との関わりから自分の生活力を高めようとする取り組みである「教育実習生との関わりプロジェクト」と,学期末テストに向けて毎日の学習について見通しを持つという取り組みである「学習への見通しプロジェクト」を行った。その結果,<社会性スキル成長意欲>は「教育実習生との関わりプロジェクト」により,有意に高まる可能性が示唆された。また,<学習性スキル成長意欲>は「教育実習生との関わりプロジェクト」と「学習への見通しプロジェクト」の連続的な取り組みにより,有意に高まる可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2016 日本学級経営心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top