抄録
本研究の目的は,孤独を感じている子どもを把握することの困難さを示す証拠を提出することであった。調査協力者は公立小学校5校の小学4年生から6年生の646名と担任教師24名であった。小学生には,子ども用孤独感尺度と学級生活満足度尺度が実施され,担任教師には担当のクラスから“さみしさを感じている”と予想される児童を抽出してもらった。その結果,子どもの主観的な孤独感得点と教師による客観的な孤独児の抽出傾向にはズレが生じていることが明らかにされ,教師は学級の中でまわりの人から認められることの少ない児童を,孤独を感じていると予想する傾向のあることが示された。