学級経営心理学研究
Online ISSN : 2434-9062
外国語学習の領域別に見た価値づけ・先延ばし・意欲の関連
―課題価値による違いの検討―
森 恵子武蔵 由佳
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2017 年 6 巻 2 号 p. 131-142

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抄録
大学入試における4技能テストの導入などの教育改革に伴い,外国語教育の制度と教育内容は近年大きく変わりつつある。この変化への対応を迫られる学生・生徒が今後の外国語学習内容にどのような動機づけを持つかは注目に値する。特に入試で能力を問われる領域・技能数が増加することから,それに合わせて多様化する学習の領域ごとの動機づけを詳しく見ることは,個別学習者の支援にあたり有益と考えられる。本研究は外国語を履修中(または履修後)の大学生350名を対象とし,入試で問われる「話す」「書く」「聞く」「読む」に加えて「単語」「文法」の計6領域の外国語学習に対する動機づけを明らかにするため,各領域課題遂行に対する価値づけ,先延ばし度と意欲を問う質問紙調査を実施した。その結果各領域の課題遂行に対する価値づけによって,その領域の学習意欲と先延ばし度合に違いが表れた。以上のことから領域により異なる価値づけ傾向があること,学習者の各領域に対する価値づけによりその領域の学習意欲と先延ばしの特徴が異なること,の2点の理解に基づく教育実践の有用性が考察された。
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© 2017 日本学級経営心理学会
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