2020 年 9 巻 p. 1-5
本研究は,学級状態の違いが中学生の学習意欲と学力に影響を与えていることを統計的に検討することを目的とした。中学校3年間のデータを縦断的に検討することとし,341人の中学生が調査対象となった。学級状態の違いについては,中学校1,2年生の双方において良好な学級状態に所属していたかどうかを判断基準とした。その判断基準に基づき,良好な学級に所属していた生徒と所属していなかった生徒の中学校3年生の6月における学習意欲に関わる尺度得点と標準学力検査の学力偏差値の比較を行った。t検定の結果,良好な学級に所属していた生徒の学習意欲と学力が有意に高いことが明らかとなった。