2009 年 13 巻 1 号 p. 84-90
金沢大学では,平成20年度より実施された「UPKI認証連携基盤によるシングルサインオン実証実験」に積極的に参加してきた.これは国立情報学研究所及び全国共同利用情報基盤センターにより,大学が所有する教育研究用計算機,電子コンテンツなどのリソースを大学間において安全・安心に有効活用することを目的として3年計画で行われた全国大学共同電子認証基盤構築事業の一環を担うプロジェクトである.この取り組みにおいて,我々はUPKI認証連携基盤の性質を利用した「ファイル送信サービス」,「デジタルコンテンツ公開サービス」という,安全にデータ共有を行うことが可能なシステムの構築に成功し,またそれらのシステムの実運用において今後必要となりうる項目について,考察を行うとともに検証を行った.本稿では,本実証実験で構築したシステムについて説明し,技術的に考察する.