学術情報処理研究
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Print ISSN : 1343-2915
原著論文
応答遅延を用いたスパム対策とその運用について
浜元信州青山茂義三河賢治
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2009 年 13 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

本報告では,公開リスト,HELOコマンドの引数を利用して,選択的に到着メールへの応答遅延,または,拒否を行いスパムメールを拒否する方式を提案する.さらに,この方式の適用例として,新潟大学メールゲートウェイサーバでスパムメール対策を行なった結果について報告する.通常,スパムメール対策では,ホワイトリストなどのメンテナンスが欠かせないが,この方式では,公開リストを利用するため,リストのメンテナンスをサーバ管理者側では行わない.また,公開リスト,HELOコマンドの引数を組み合わせて,応答遅延する接続を選択することにより,応答遅延する接続数を抑えることが出来る.導入から現在まで,偽陽性判定の報告はなく,メンテナンスフリーでの運用が出来ている.ユーザに届くメール数は,対策前と比較して3割減となり,特定のメールアドレス宛てに対する調査では,本方式導入前に届いていたスパムメールの9割を削除することが出来ていることが分かった.

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© 2009 学術情報処理研究編集委員会
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