近年,急増している不正アクセスなどに対して,企業だけではなく大学などの教育研究機関においても,安全性を考慮したネットワークの仕組みが求められている.その対応の一環として,東京海洋大学品川キャンパスでは,IPアドレスとMACアドレスを関連付けして認証するシステム(MAC-IP監視管理システム)を,2014年3月より1研究棟に試験導入し,2015年3月より全研究棟に導入している.MAC-IP監視管理システムは,セキュリティ対策だけを考慮した仕組みではなく,各研究室内の接続機器情報の管理には,研究室ごとに機器管理者グループを作り,機器管理者グループでWeb上から管理を行える利便性も考慮した仕組みである.本稿では,MAC-IP監視管理システムの導入時から現在における運用評価を中心に,運用から明らかになった課題と課題に対する解決策,そして,今後の展開について述べる.