学術情報処理研究
Online ISSN : 2433-7595
Print ISSN : 1343-2915
原著論文
ユーザ負担を考慮したワンタイムパスワード認証システム
多田 充
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2016 年 20 巻 1 号 p. 97-104

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抄録

ワンタイムパスワード認証は,固定パスワード認証で問題視されている安全性を解決するものとして,金融関係サイトだけではなく,大学組織のサービスシステムに対しても,近年重要視され実際普及してきている。本論文の著者は,(固定)パスワードで制御されているサービスシステムにおける認証の安全性を強化する方法について,2015年の学術情報処理研究集会で発表した[9]。本論文では,このシステムを拡張することにより,ワンタイムパスワード認証システムを構築する。ワンタイムパスワードは単独で利用されることは少なく,多くのサービスシステムでは固定パスワードと組み合わせて利用される。近年,多くの大学組織において,組織内の各サービスシステムで利用される(固定)パスワードは共通なものになっていることが多くなり,複雑なパスワードをいくつも覚えるというユーザの負担は軽減された。しかし,ユーザIDについては,システム毎に異なった文字列を用いていることがあり,その種類数が多くなるとその記憶負担も苦情の種となりうる。本論文で述べるワンタイムパスワード認証システムでは,ユーザが覚える文字列が(固定)パスワード1つのみとなるので,ユーザの負担をより軽減させることが可能となる。

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© 2016 学術情報処理研究編集委員会
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