2019 年 23 巻 1 号 p. 67-75
三重大学では,ノートパソコン必携制度の開始と学習支援のニーズの高まりを踏まえて,学生のICT(情報通信技術)活用と学習に関する相談に大学院生が応える相談窓口「MEIPLサポートデスク」を2018年4月に開設し,1年以上にわたり運営してきた.MEIPLサポートデスクは部局横断型の取り組みであり,異なる部局・学部の学生・教員・職員といったさまざまな立場の関係者が関わるため,サポートデスクの開設と運営にあたっては,関係者間の情報共有を円滑とし,さらに柔軟性や拡張性などを有する情報システムが必要であった.本論文では,MEIPLサポートデスクの開設 と運営における情報システム面の課題を整理し,それらの解決のためのクラウドサービス活用とそ の効用について述べる.また,学生スタッフの活動は対面での相談対応にとどまらず,大学のICT環境の活用促進や相談対応データの分析などに発展し,その発展の基盤としてもクラウドが機能したことを示す.