2024 年 80 巻 24 号 論文ID: 24-24003
近年,気候変動等に伴う集中豪雨による被害や影響が報告されており,適切な気象情報の共有化は重要であると考えられる.その際,国土強靱化に向けた道路交通分野におけるこれらへの対応は重要な技術的課題である.一方,仮想空間などを活用したデジタル技術によるDX推進が期待されている.本研究では,デジタル技術を活用した安全で円滑な交通流確保に向けて,車両運転者等への気象情報の提供に関して,気象庁で定義された降雨強度の理解について被験者へのアンケートヒアリングを通じた検証により考察した.さらに,降雨等の環境条件の違いが車両運転者に対して与える影響に関して,道路設計時に構築されたBIM/CIMモデルを有効に活用した走行シミュレーションにより検証し,今後の降雨時における走行(運転可能速度)への影響について考察した.BIM/CIMを用いたVRでの検討結果によると,降雨やその他の運転環境条件の違いを考慮した更なる議論の重要性が示唆された.