2020 年 24 巻 1 号 p. 85-93
本稿では,東京農工大学における人事システム及び学務システム,教務システム等の学内情報源より得た情報に基づき登録したデータを一元管理する統合管理運用システムに登録されている文字情報の実態を把握するために,登録されている文字の実態把握が詳しく行えていなかった属性を対象に,登録されている文字情報について行った調査及び考察について述べる.本調査では,統合管理運用システムに登録されている全アカウントに対し,総合情報メディアセンターの管理外にある,学内システムを情報源とする「氏名」及びユーザ自ら情報を登録する「表示名」を調査対象とし,登録されている文字数やその種別,また,それが国際化文字列を許容するプロトコルで利用が許容されている文字であるか等を調べるために,Unicode Standard 及びIETFが標準化しプロトコルでの利用可否を定義した文字分類に従い調査を行った.その結果,統合管理運用システムに登録されていた文字の実態把握を達成するとともに,本システムから外部サービスに向けた情報提供を行う際に課題があることが示唆された.