2020 年 24 巻 1 号 p. 58-67
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため,茨城大学でも全学的な遠隔授業/テレワーク体制を整える必要に迫られた.本論文では,IT基盤センター及び全学教育機構を中心とする遠隔授業実施タスクフォースが遠隔授業/テレワークの実施に向けてどのような対応を行なったのかを報告する.細かいトラブルはいくつか発生したものの,全体としては大きな混乱もなく第1クォータを終了することができた.Teamsのログや教職員・学生へのアンケートから支援が有効に機能したと判断した.大きな問題が発生しなかった要因として,(1)遠隔授業実施タスクフォースから各授業担当教員までスムーズに情報共有ができたこと,(2)想定される問題のうち技術的に解決困難なものは先にガイドラインを示すことで問題の発生を抑止したこと,(3)推奨する遠隔授業方式を早めに提示することで疑問点のバリエーションが限定されたこと,などが挙げられる.