2024 年 28 巻 1 号 p. 153-164
長崎大学は,2021年度から2022年度にかけて,教職員メールシステムの可用性向上やセキュリティ強化を目的として,慢性的な過負荷によりサービス品質が低下していたオンプレミスのシステムからMicrosoft 365への移行を行った.本論文では,その事例をもとに,メールシステムの移行検討時の課題の整理や移行にかかる時間の予測等から移行手法や移行順序を決定するプロセスについて述べる.また,多要素認証の導入を含む移行時の経過と移行後の運用状況を報告し,得られた知見を考察する.