日本臨床救急医学会雑誌
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臨床経験
顎顔面骨骨折症例の臨床的検討
桐山 健金子 高太郎石原 晋
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2003 年 6 巻 1 号 p. 31-35

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抄録

県立広島病院救命救急センターにおいて1996年5月の開設以来,1999年12月までの外傷症例総数は817例で,うち186例(22.8%)に顎顔面外傷を認めた。このなかで顎顔面骨骨折を認めた71例(38.2%)を対象に検討を行った。なお,当救命救急センターにおいては口腔外科医も外科系協力医師として積極的に救急医療に参画し,顔面外傷症例をすべて担当している。性別では男性52例,女性19例で男性が多かった。年齢は2歳~100歳にわたり平均33.1歳で,20歳代がもっとも多かった。ISSの平均は18.3であった。原因としては交通事故がほとんどで,57例(80.3%)を占めていた。観血的整復固定術は49例(69.0%)に施され,受傷後手術までの日数は平均7.0日であった。合併損傷では四肢・骨盤損傷(54.9%),頭部損傷(42.3%)が多くみられた。骨折部位については合併骨折と中顔面の骨折が大半を占め,下顎骨骨折は低頻度であった。治療経過は良好で,咬合障害を残遺した症例はなかった。

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© 2003 日本臨床救急医学会
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