2024 年 28 巻 1 号 p. 174-181
国際的な標準化に従うマネジメントが注目され,その認証取得を得るためには,規格要求事項を理解し,組織全体で認証審査に取り組む必要がある.しかしながら,規格の理解は簡単ではなく,規格に則った文書作成など,認証取得や認証維持の負担が大きくなる問題が存在している.一方,AI技術が発達し,大規模言語モデルの活用のため,プロンプトエンジニアリングが注目されている.そこで,規格の要点を適切に捉え,規格関連文書をまとめることや理解を手助けするための手法として,プロンプトによる要約の活用に着目する.本論文では,規格に関する文章の要約に対する課題を提示し,効率よく効果的に要約を行うため,分散プロンプトエンジニアリングと,それに基づき動的に要約する方法を提案する.具体的に要約結果を比較し,規格内容の解釈が異なることがないように適切に要約することについての考察を行う.