情報化が進む今日,大学は貴重な情報を蓄積するだけではなく,世界に向けて発信することが求められている.筆者らは,大学内の学術情報を一元的に管理し,情報を提供する総合実験データベースを構築中であるが,その際に問題となるのが,自然科学系の多種多様で,またテラバイト(TByte)にもおよぶ膨大な量のデータの取り扱いである.そこで,TByteオーダーの自然科学データを公開する際のデータベース構築およびデータ検索配信の指針となるべく,本学で蓄積管理している「あけぼの衛星」で計測された膨大な量の電磁波計測データを用い,実際に大規模データベースを構築し,さらにデータの検索配信システムを開発した.その際,データベースの構築から,検索,ネットワークを通した配信までを一つの流れとして捕らえて総合的に検討し,蓄積されている計測データが有用かつ効率的に利用できるシステムとすることを目指した.本稿では,開発したシステムの紹介を行い,その評価について述べる.