2005 年 9 巻 1 号 p. 27-36
広島大学情報メディア教育研究センターでは、平成16 年度末に計算機システムのリプレースを行なった。 この新しいシステムには、教育用端末群を利用したHPC(High Performance Computing)環境が含まれており、この環境はセンターサービスとして学内に提供されている。本環境は、教育用端末群の遊休時間を利用するという点で世界でも例のない試みであり、今後の大学等におけるHPC 環境の整備および教育用端末群の有効活用について有用な示唆を与えるものであると考える。本稿では、教育用に導入されている多数のPC 端末の遊休時間を利用して、PC クラスタおよびグリッドのような計算資源として利用するための技術的な方法について検討する。また、広島大学に導入されたシステムの設計および構築について報告する。