学術情報処理研究
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原著論文
Spamメール及びウイルスメール対策システムの構築と運用
松平 拓也車古 正樹井町 智彦西川 直樹
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2005 年 9 巻 1 号 p. 45-53

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抄録

近年,インターネットにおける電子メールの担う役割は非常に大きい.しかし,電子メールの一般化に伴い,それに付随する問題もまた増加の一途を辿っている.現在,特に問題となっているのが公告等の目的で無差別に送信されるSpamメールであり,中には犯罪性をおびた目的で送信されているものも決して少なくない.また,コンピュータウイルスは自己増殖のために大量のメールを無作為に発信するものが多い.これらの諸問題に対応すべく,金沢大学ではメールスキャンソフトを導入し,Spamメール及びウイルスメールを隔離することで対策してきたが,この種の対策には誤検知の危険性がどうしてもつきまとう.これまで,誤検知対策は管理者の目視によって行っており,管理者にかかる負担が問題となっていた.そこで,隔離したメールのリストの自動送付及びユーザがWeb上の手続きで再配信できるシステムを構築し,管理者にかかる負担を軽減することに成功した.また,Spamフィルタの定義を効率的に行える定義管理システムの構築ならびに,実在しないアドレス宛でSpamメールを多く受信しているものを対学外メール中継サーバで受信拒否できるシステムの構築を行った.これらのシステムを連携させて運用することで,管理者にかかる負担を軽減することができ,同時にユーザのSpamメール及びウイルスメールによる被害を大きく軽減することができた.本稿では構築したSpamメール及びウイルスメール対策システムの概要について述べる.

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© 2005 学術情報処理研究編集委員会
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