抄録
慢性腎臓病領域での心理職の業務を明らかにし,心理職がこの分野で直面する困難ややりがい,貢献可能性を整理した。慢性腎臓病領域で心理支援に携わる心理職41名から協力を得,アンケート調査を実施した。対象者の大半が100床以上の病院に勤務していた。慢性腎臓病領域にかけるエフォートは,常勤心理職で16.8%,非常勤心理職で44.6%と差が見られた。患者への直接支援では,「心理的安定を図ることを目的とした関わり」や「面接や行動観察によるアセスメント」が多く実施された。医療者への間接支援では,「患者についてのスタッフの理解を促進するための心理的助言・情報提供」「スタッフの関わりに対する助言」が多く行われていた。この領域で働くうえでの困難として,〈慢性腎臓病特有の難しさ〉や〈心理職の活動基盤が確立されていないための難しさ〉が挙げられた。やりがいとして,〈患者の人生に関わり,身体疾患の改善に寄与できること〉,〈チーム医療の一員として心理職の専門性を活かせること〉が挙げられた。今後は,心理職の教育体制の整備を図り,より包括的な心理支援を提供できる体制を構築していく必要がある。