心理専門職コンピテンシーは,公認心理師が身につけるべき機能や専門性およびその基盤となる資質や能力である。本研究では心理専門職養成におけるコアコンピテンシーに着目し,大学院生による主観的評価の変化からその獲得過程を検討し,養成教育への示唆を得ることを目的とした。学内実習機関における自閉スペクトラム症心理教育プログラムの大学院生スタッフを研究協力者として,コンピテンシー自己評価質問紙を4回,スタッフインタビューを2回行った。プロフェッショナリズム,反省的実践,関係性の3つのコアコンピテンシーに焦点を当てて量的・質的に分析した結果,大学院生スタッフは自信がない中でスタッフ役割を経験し,自分の成長にも気づいていくが,新たな課題に直面すると自己評価も上下に変動していた。反省的実践に取り組み,課題への対処をしながら経験を積む中で,支援を俯瞰的に捉えるプロフェッショナリズムを身につけ,クライエントや他のスタッフとの関係性を調整できるようになる過程が見いだされた。養成教育への示唆として,コンピテンシー概念の教示と共有,反省的実践のサポート,大学院生同士の支え合い,教員も含めたチーム実践を挙げた。
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