日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
有瘻性膿胸を伴ったアスペルギローマに対する開窓術, 空洞切開術後の肺全摘術, 大網充填術例
喜夛村 次郎大久保 憲一佐藤 寿彦長 博之五十部 潤上野 陽一郎
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2005 年 19 巻 1 号 p. 27-31

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抄録
症例は75歳男性. 結核性膿胸に対する肺剥皮術後1年経過し, 食思不振及び咳嗽を来した. 胸部X線写真上左胸腔内にair fluid levelを認め, 胸部CTにて左肺尖部空洞内にアスペルギローマを認めた. 胸水よりアスペルギルスを検出した. 開窓術を施行し胸腔内の菌の陰性化は得られたが気道内の菌の陰性化は得られず, 左肺尖部の空洞切開を行い, 菌塊を摘出した. 菌の陰性化を得たのち, 左肺全摘・大網充填術を施行した. 術後経過を良好である. 肺アスペルギローマとアスペルギルス膿胸を合併した症例に対し開窓術後, 空洞切開術を行い, 肺全摘術を行ったという報告はみられず, この方法により難治性の再発膿胸を治癒し得た.
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© 2005 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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