日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
瀰漫性の進展形式を呈した硬化性縦隔炎の1例
上林 孝豊寺田 泰二
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2005 年 19 巻 6 号 p. 754-757

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抄録

症例は51歳, 女性. 左上肢腫脹と発熱を主訴に近医を受診したところ, 胸部CTにて上縦隔の異常陰影を指摘され当科を受診. 胸部CT, MRIにおいて上縦隔に瀰漫性に広がる境界不明瞭な病変と左腕頭静脈, 左鎖骨下静脈と左内頚静脈の閉塞所見を認めた. 発熱および炎症反応の上昇を認めたことと, 画像上, 病変は血管周囲組織の瀰漫性の肥厚像として指摘できる程度で, 極めて腫瘤形成に乏しかったことより腫瘍よりは炎症性病変を疑った. 確定診断目的に手術を施行し, 病理組織学的に硬化性縦隔炎の診断を得た. 縦隔重要臓器の圧迫・閉塞所見を伴う縦隔内病変をみた際には硬化性縦隔炎も考慮すべきである.

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© 2005 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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