抄録
手術時のSSI(Surgical Site Infection)予防目的での抗生剤投与は,その使用方法に施設間で格差があるが,近年はCDC(Center for Disease Control)ガイドラインに準じた投与法が普及しつつある.当科でも2004年以降同ガイドラインの手法を採用しており,その妥当性を検討した.対象は当科で肺葉切除を施行した症例のうち,抗生剤投与を術当日のみに限定した群(A群101例)と,historical controlとして二日以上投与した群(B群98例)で,SSIの頻度につきretrospectiveに検討した.SSI発症は全てsuperficial SSIで,A群で1例(1%),B群で2例(2%)と有意差は無かった.肺葉切除術症例におけるSSI予防のための抗生剤投与は,術当日限定で十分の可能性がある.