抄録
一般に気胸に対する手術は全身麻酔下に行われる.しかし,臨床の場では全身麻酔のリスクが高い症例にしばしば遭遇する.当科ではそのような症例に局所麻酔下に胸腔鏡手術を行ってきたので報告する.対象は1996年4月から2005年3月までに局所麻酔下に胸腔鏡手術を行った難治性気胸12例.男性11例,女性1例,平均年齢71歳であった.術前評価で全身麻酔のリスクが高いと考えられた症例は11例で,1例は全身麻酔拒否の症例であった.手術時間は平均50分.術中合併症は無かったが,術後合併症として肺炎と膿胸を併発した1例を失った.手術目的を達成した症例は9例で,いずれも術中にブラを確認できた症例であった.手術適応を十分に検討し,術前評価を十分に行えば,全身麻酔のリスクが高い難治性気胸症例に対する局所麻酔下胸腔鏡手術は有用であり,検討に値する手技と考えられた.