抄録
自然気胸に対する胸腔鏡下手術後の再発を防止する目的で吸収性ポリグリコール酸シート(PGAシート)と自己血を用いた方法を導入した.本法の有用性を胸腔鏡下にブラ切除のみ行う方法(従来法)と比較検討した.1995年3月より2001年10月までに施行した従来法26例と2001年11月から2005年12月までに行った本法32例を比較検討した.従来法は胸腔鏡下に自動縫合器によるブラ切除のみを行った.本法は従来法に追加してステープルラインに沿って数針吸収糸を通し,その糸を使用し,PGAシートを肺に縫合固定,ブラ切除部を中心にシートで被覆する形とした.さらに自己血約20-40mlをシート上に散布した.従来法の再発率は11.5%,本法は0%であった.本法はフィブリン糊などの血液製剤を使用しないことからも,患者にとって安全で有益な方法と考えられた.