抄録
当科において非小細胞肺癌に対し施行した肺全摘術について検討した.1993年3月から2003年7月までに肺全摘術を施行した45例を対象とした.患者背景は男性36例,女性9例で,病期はIII期以上が33例であった.また組織型では扁平上皮癌が28例と最も多かった.手術時間は平均281.6分で,術後平均在院期間は46.8日であった.一方術後合併症は12例に認めたが気管支断端瘻はなく,術関連死は1例であった.5年生存率は全体で32.1%で,I期とII期をあわせると22.2%,IIIA期は30.4%であった.肺全摘術において合併症の頻度は許容範囲であり,予後も肺葉切除に対し遜色はなかった.