日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
診断に苦慮した中縦隔神経鞘腫の一例
大成 亮次日山 享士渡邉 雄介西亀 正之
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2007 年 21 巻 6 号 p. 802-808

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抄録
症例は77歳の男性,盲腸癌術後の胸部CTで気管分岐下に4.5cm大の中縦隔腫瘍を偶然発見された.MRIではGd-DTPA造影のT1強調像で中心部が濃染し,辺縁部は造影効果が不良でターゲットサインは陽性であった.画像所見から神経原性腫瘍を疑い,気管支鏡下吸引細胞診(TBNA)と超音波内視鏡下吸引細胞診(EUS-FNA)を施行したが確定診断は得らなかった.診断と治療を目的に開胸下腫瘍摘出術を施行し,手術所見ならびに病理学的検討で迷走神経由来の神経鞘腫と診断した.気管分岐下の中縦隔腫瘍においては,質的診断を目的としたTBNAとEUS-FNAは,容易に施行できるもので併用されることが望ましいと思われた.
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© 2007 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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