日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
肺癌術後のステープルラインに発生した非定型抗酸菌症を伴う肺肉芽腫の1例
古川 公之池田 宏国竹尾 正彦山本 満雄
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2007 年 21 巻 7 号 p. 942-945

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抄録
患者は57歳女性.2000年12月に肺癌に対し,胸腔鏡補助下右S3区域切除施行.病理診断は高分化型腺癌,Stage IAであった.術後4年目の胸部X線,CTにて右上葉に5×5cmの腫瘤陰影を認めた.右肺癌再発を疑い胸腔鏡下手術を行った.右上葉に臓側胸膜の引きつれを伴う弾性硬の腫瘤を認めた.術中迅速病理検査では悪性所見は得られなかったが,肉眼所見では悪性が強く疑われたため,右上中葉切除を行った.切除標本肉眼的所見では腫瘤は5.5×5.0cm,割面は白色,周囲との境界は明瞭で,内部に黄緑色の膿汁の貯留を認めた.切除標本の軟X線写真にて,病変部の辺縁にほぼ一致して前回手術時のステープルラインを認めた.病理組織学的検査では肉芽腫形成を認めた.膿汁の培養からMycobacterium aviumが検出された.以上から自験例を肺癌術後のステープルラインに発生した非定型抗酸菌症を伴う肺肉芽腫と判断した.
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