2008 年 22 巻 6 号 p. 856-860
【目的】難治性気胸の術後合併症リスク評価.【対象と方法】高齢者難治性気胸手術症例43例に対し,術前背景因子,術前臓器機能因子,術前評価可能な麻酔手術侵襲等について比較検討し,単変量解析によるリスク評価を行った.続いて多変量解析を行い,高齢気胸術後合併症リスク評価を試みた.【結果】男性41例女性2例で,術後合併症は10例(23.3%)で認められた.諸因子別網羅的解析では,全25項目中血清TP,Alb,chE,Na+低値群およびPS,酸素投与群,麻酔スコア値で有意であった.すべての因子による多変量解析ではPS低値群にて有意に合併症が発生した(odds比:73.7,P=0.003).【結語】高齢者難治性気胸ではperformance status不良,低栄養状態,低Na群および酸素吸入群は全身麻酔手術ハイリスク群である.