日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
悪性疾患による気道狭窄に対する硬性気管支鏡下ステント挿入例の検討
高濱 誠山本 良二中嶋 隆宮田 俊男多田 弘人
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2008 年 22 巻 6 号 p. 861-867

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抄録

当センターにおける悪性気道狭窄に対する硬性気管支鏡下ステント留置症例をretrospectiveに検討した.2003年1月から2007年5月までに施行された硬性鏡下治療症例73例のうち悪性疾患による気道病変に対して硬性気管支鏡下ステント留置が施行された55例を対象とした.狭窄の様式は,粘膜浸潤型24例,壁外型24例,混合型7例.ステントの種類は,Dumon 12例,Dumon Y型(Y)21例,EMS 17例,Y+EMS 5例.ステント留置により,呼吸状態の改善は全例で認められ呼吸状態の悪化は認めなかった.PSは46例(86.8%)で改善した.術後人工呼吸管理を要したもの10例,肉芽形成4例,ステントの移動2例であり,術後2日以内に2例が死亡した.ステント挿入後のMSTは2.5ヵ月,平均生存期間は4.9±5.2ヵ月であった.悪性気道狭窄に対する硬性気管支鏡下ステント留置は患者のADLの改善および呼吸困難の改善に有用であったが,術前全身状態不良が多く,術後管理には注意を要する.

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